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検証:Adobe eBook Reader |
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Adobe eBook Reader登場! 電子書籍(電子本)がメディアで取り上げられる機会が増えてきました。コンピュータの普及に伴って、保存場所の取らない電子書籍に注目が集まっています。
そのため、今では各ソフトメーカーは、電子書籍を読むためのリーダーソフトの開発にしのぎを削っている状況です。昨年アドビ社が発表したAdobe eBook Readerもその一つ。これはPDFドキュメントを読むためのAcrobat Readerを電子書籍用に改良したもので、コンピュータで本を読みやすくするための工夫がなされています。eBook Readerの発表を受けて、アマゾン・ジャパン、10daysbook、Frankenなどで専用の電子書籍を販売するコーナーも設置されました。 今回のトピックスでは、このAdobe eBook Readerの実力を検証してみました。 改良されたポイントは? Adobe eBook Readerは、アドビ社のサイトから無料でダウンロードできます。さっそくダウンロードして利用してみました。すると、これまで一般に使われてきたAcrobat Readerに、以下の機能が付け加わったことが分かりました。 (1)ページがめくりやすくなり、さらに目的のページへ容易に跳ぶことができる。 (2)マーカーで印をつけることができる。 (3)付箋をはさむように、メモを挿入する機能がついている (4)ディスプレイの解像度にあわせて、よみやすい書体を選ぶことができる
その他、購入した電子本をジャンル分けして収納する機能や、「読み上げ」機能などが盛り込まれています。 そして、eBook Readerの特徴のもう一つは、著作権を保護できる形になっていることです。このソフトではプリントや再配布、さらにはクリップボードへのコピーの可・不可を自由に設定できる仕組みになっているようです。著作権の問題が電子書籍の普及の妨げになっている事態に対応しているものと思われます。 またeBook Readerでは、pdf形式で保存していたファイルを読みこむことができます。Acrobat Readerでは読みにくいと考えていた人には便利です。(ただし、反対にeBook Reader専用のファイルはAdobe Acrobat Readerで読み込むことはできない。「このViewerでは開けません」と表示される) 問題点は? これまで一般的に使われてきたソフトにさまざまな機能が加わったeBook Readerですが、実際に利用してみていくつかの問題点も見られました。 まず一つ目に、表示が遅いとうことです。これま利用しているパソコンのスペックにもよりますが、紙の本を読むときに比べてページをめくる測度がかなり遅いという印象を受けました。 二つ目は、eBook Reader用に販売されている書籍のファイルが重いということです。アマゾン・ジャパンで販売されているテキスト中心のもので1.5Mbほど(フロッピー一枚にぎりぎり収まらない程度)で、10daysbookのコミックに至っては30Mb超というのが現状です。 ケーブルテレビや光ファイバーなどブロードバンドで接続している場合は良いのですが、これでは大抵の場合ダウンロードに相当な時間がかかります。また、いったんダウンロードした後も保存場所に困ってしまうという問題もあります。 これらの問題点も含めてeBook Readerを評価すると、従来のソフトリーダーとあまり変わらないというのが印象です。確かに、電子書籍を読みやすくする工夫も見られますが、電子書籍の表示速度や目への優しさ(つまり読みやすさ)という点ではほとんど改善されていないというのが実感というところでしょうか。 電子書籍が一般化するには、電子ペーパーの開発やネット環境の充実などが実現されてからということになるかもしれません。
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